認知症ケア
日本老年精神医学会専門医:
真栄城 尚志

当院は、認知症病棟と認知症デイケアを平成5 年に開設致しました。
早いもので、それから25 年が経過します。この間、認知症家族のつどい、もの忘れ外来の立ち上げ、認知症デイケアの新棟への移転、認知症カフェの開催など、認知症のご本人とその家族の支援のため様々な取り組みを行っています。

近年の高齢化に伴い、国も色々な制度を導入して認知症のケアに取り組んでいます。認知症専門医の認定、認知症基幹病院や認知症疾患センターの設立、認知症サポーターの養成、オレンジプランの奨励、自動車運転免許の法改定など、国を挙げて認知症に関する課題改善に力を入れています。平成25 年、国はオレンジプランを打ち出して、認知症の予防、認知症のご本人のケア、支える家族を支援する対策として医療と地域が連携して認知症の方々を支えることを推奨しています。また、平成29 年には道路交通法が改定され、高齢者の自動車運転に関して法整備されました。そのようなご時世の中、認知症についての関心がますます高まっています。
当院では、これまで以上に認知症のケアに尽力していきます。

認知症が進行すると、ご本人は様々な生活のしづらさを抱えます。また、支えるご家族の負担も大きくなります。ご本人やご家族が「あれ?」と思ったら、早めに医療機関にご相談することをおすすめします。認知症の初期段階で適切に介入することで、認知症の進行を遅らせることができます。本人らしさを維持し、大切な人とできるだけ長く大切な時間を過ごすためのお手伝いができたらと考えています。どうぞ、お気軽にご相談ください。

平成30 年8 月 吉日